街を歩いていると時折、傘を握りしめて大きく後ろに突き出しながら歩いている人に遭遇することがあります。
急いでいるのか、ゆっくり歩く人を邪魔そうに押しのけながら歩く人にも。

どちらも嫌だなあと思うけれど、自分も気づかずに同じようなことしていることも、あるかも。

この本は子ども向けにわかりやすく礼儀作法を教えるための本。
礼儀作法というとなにか決まり事を覚えるかのようにも思いますが
形としての作法を身につけるというよりも、なぜそうするのかの心の在り方が多く語られます。
マナーを身につけるとは、自分をよく見せるための手段ではなくて
相手を大切にする方法を身につけるということ。
そのためにはまわりをよく見たり想像することが必要になるんだよ、ということもよくわかる本です。

タイトルに「おとなも学べる」と入っているように、大人も一緒に考えたい。
とてもまっとうなことが、まっとうな言葉で書かれています。
そのあまりの正しさに、敬遠したい気持ちになる人もいるかもしれないのですけど
おとなになればなるほど、自己中心をいさめてもらう機会って減るものだし
わかっているつもりでも、頑固になって想像力を失っていることもあるような気がします。

お説教くさく語りかけてくれる、懐かしい先生のような本。


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2013年5月12日更新
『おとなも学べるこども礼儀作法』 尾崎文春

知識と実践