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「きらわないでたべてくれよ〜。」
この本の帯の言葉が、ある意味この絵本のすべてではあるのですが。

インパクトのある表紙だけでなく、なかみもすごいんです。

おすしのさかなは大好きだけど、やきざかなはきらい。
夕食でやきざかながでたので、おはしで食べ散らかして、食べたふりをしてしまった男の子。
そんなことをしたら、とうぜんおそろしいことがおきるのです。
ほねになったやきざかなが、ずっとずっとずっとついてきます。
お風呂のなかにも、ふとんのなかにも、ずっと、ずっと、ずっと。

そんなやきざかなのふるまいも、それを描く絵柄も恐ろしい執拗なのろいに、
意外にも屈しない男の子とやきざかなの攻防からの思いがけない展開。

結末は読んでのお楽しみですけれど
好きも嫌いも、理不尽なものなので
理屈をぶっとばす、この結末が好き。

すききらいがある子がいたら、この本を差しだしてみて欲しいです。
きらいな食べものがなくなるかどうかは、わからないけど。
正しい説得よりは、楽しいのろいにかかるかも。


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2014年11月30日更新
『やきざかなののろい』 塚本やすし

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