ただただ食べ飲むことを楽しむのだ！「ワカコ酒」新久千映

これはお酒好きにはたまらないマンガ！
いや、お酒が飲めなくても食いしん坊にはおすすめしたい。
26歳ワカコがひとり酒を楽しむ、いわば酒場放浪記です。

食マンガでありながら、けっしてうんちく満載ではないのがこのマンガの良いところ。
究極の食材を語るわけでなくお酒ですら銘柄をこだわるわけでなく、ただこんなときにはこんなふうに飲みたい、美味しいー！という、素直な食べ飲みの喜びをあらわしてます。
鮭の皮で日本酒をまったり飲んだり、ギョウザにビールをぐびぐびいったり、疲れたときにはにんにくまるごとを背徳的につまみにしたり・・・。ちょっとぜいたくなお肉やお刺身から、お祭り屋台の焼きそばにビール！みたいなチープな楽しみまで、こだわりなく素直にその良さを味わいます。
ワカコがお酒を飲んでぷしゅーっとまんぞくの息をはく、それだけのくりかえしに、読んでるこちらも飲みたくなる。いや、この本をつまみにお酒が飲める。
そして猫の目みたいなシンプルな絵柄の主人公なのに、そのぷしゅーっの表情豊かなこと！

お酒が飲めない人でも、ワカコのひとり時間の過ごし方はとても魅力的に見えるのではないかと思うのです。
外飲みだけでなく、一話だけ入っている家飲みの楽しみ方は、お酒でなくごはんでもきっと共通の楽しさ。
好きなお酒で、好きなお食事で、ぷしゅーっとしたくなることうけあい！です。

2013年7月1日更新
『ワカコ酒』　新久千映

コミック酔う食べる
 徳間書店新久千映

ただいま 54 ストック！こんにちは、鳩です。
食べること寝ることに並んで本を読むことが大好きで、ついにはお仕事まで本に関わることをしています。ここはわたしが読んだ本ばかりの個人的な書庫でもありますが、あなたにおすすめしたい本を差し出す本屋さんのカウンターでもあります。読んで好きになった本、印象に残った本、私はあまりなじめなかったけれどおすすめしたい誰かの顔が浮かんだような本を集めています。記事から記事へキーワードをたどってめぐることもできますし、表示される記事やキーワードもそのときにより変化します。気になる言葉や名前などを各記事下の検索欄で探していただくこともできます。
いまはまだ少ないこの書庫の蔵書も、うっそうとした本の森にそだつ予定です。どうぞ気ままにお散歩して、本と出会ってくださいな。