新刊の発売予定にタイトルを見つけると、もうその日が楽しみでたまらない。
こどものころ『りぼん』の発売日が待ちきれずに本屋をのぞいたみたいに、わくわくして待つ本があります。
アニメっぽい表紙に先入観をいだいて手を出さずにいた時間がほんとうにもったいなかったと思っている漫画。
おなじ気持ちで敬遠しているひとがもしいたら、とにかく一冊読んでみて!と言いたい!

ちいさい「よつば」と「とーちゃん」。そしてご近所さんにおともだち。
よつばのいろんなはじめての体験を中心に、日常生活がえがかれています。
よつばが経験することは、まるで自分の過去につながっているように感じるのが不思議なところ。
はじめての自転車やセミ取りに夏祭り…自分が経験したことも、していないことも、自分の「こどものころのこと」のように子供時代を再体験してしまうのです。
ゆっくりと巡る季節のなかで、なんでもない普段の生活を楽しくすごす。
それだけのことがこんなにも面白いのか、わくわく感じることがこんなにあるんだと、わああと目をひらかれるようです。

よつばが面白くかわいいのはもちろん、周囲の大人たちもとてもいい。
こどもにたいして、いつも本気。まじめに遊び、むきになり、でもちゃんと歳相応に大人。
こどもとおとな、こどもとよのなか、そのありかたがとてもまっとうなのです。

新刊がでるとまず一気に三回くらい読み返してしまうわたしですが、くりかえしても飽きずに、むしろどんどん好きになる。お気に入りのエピソードを、好きなキャラクターを誰かと語り合いたいし、ひとり思いかえしてはにやにやと笑ってしまう。
大のおとながうきうきとはまれること、請け合いです!


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2013年2月25日更新
『よつばと! 』 あずまきよひこ

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