太宰治は好きな作家ですけれども
これは数々の有名作をおさえて、傑作だ!と思っている短編集。
女性の独白の物語を集めたもので、どれもいいのですが…。
表題作の「女生徒」はまた際立っています。
ある一人の女生徒の朝から夜までのお話。
日常の生活の中で、何の脈絡もないように生まれては消えていく感情。
その一瞬には確かにあるのに、あったことをちゃんと知っているのに、
いつのまにか流れて見えなくなるものが書かれている。
私はお米を研ぐのが好きなのですが
さりさりとお米を撫ぜながら水を流していると
どんどん心がまっしろになっていって
でも何かぼんやりと考えています。
すごく大事なとことがわかった気がするのに
あらためて振り返ってみても思い出せない…。
そんなふうに一瞬一瞬にたどり着いている透明でかたちないものを
文章で書ききっているのです。
他の作品とはちょっと違う雰囲気があるので
太宰はいまいち…と思っていた人も手にとってもらいたいです。
2013年2月3日更新
『女生徒』 太宰治
ただいま 54 ストック!
こんにちは、鳩です。
食べること寝ることに並んで本を読むことが大好きで、ついにはお仕事まで本に関わることをしています。ここはわたしが読んだ本ばかりの個人的な書庫でもありますが、あなたにおすすめしたい本を差し出す本屋さんのカウンターでもあります。読んで好きになった本、印象に残った本、私はあまりなじめなかったけれどおすすめしたい誰かの顔が浮かんだような本を集めています。記事から記事へキーワードをたどってめぐることもできますし、表示される記事やキーワードもそのときにより変化します。気になる言葉や名前などを各記事下の検索欄で探していただくこともできます。
いまはまだ少ないこの書庫の蔵書も、うっそうとした本の森にそだつ予定です。どうぞ気ままにお散歩して、本と出会ってくださいな。
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