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「一冊は読んだ。でも、次にどんな本を読むといいのか、わからない」
苦楽堂という出版社の編集さんが、これまで多くの高校生大学生、社会人からもよく聞いた言葉だそうです。そんなひとたちに向けて作られたのが、この『次の本へ』というブックガイド。
84人がそれぞれ実際に体験した、この本を読んだ後にこれを読んで良かった、という本を2冊紹介してくれています。

それぞれの文章自体もとても面白く、ただそのおすすめする本の魅力を語っているだけでなくて、どんなきっかけ、どんな興味関心で一冊目を手にとって、どんな経緯で2冊めにつながっていったのか、そして続けてその本を読んだことでどんなことが起きたのか、自分の実体験を書いているところ。エッセイを読んでいるような面白さがあり、あ、こんな本との出会いもあるんだ、なんて驚きもあったり。おすすめされた次の本へ興味がつながらなくても、私だったらこの状況だったらこの本にいくかも…なんて想像が広がったりもします。

この本は、頭から一冊通して読まなくてもいいのです。そのためにしっかり本の最後に索引が作られていて、百科事典みたいに自分の興味の引かれたところだけページを開くことができます。この機能はすごい!
索引の種類もいろいろあって、まずは紹介されていたり話題としてでてきた本の索引。そして人名(架空の人物も含む)の索引。さらに出会いのきっかけ別に紹介文を分類したインデックス。人や場所、分野などいろいろタイプ別でわけられていて、興味が似ているページにとんでゆけます。ちなみに私がすごく惹きつけられたインデックスは、時間→時間差攻撃というなかの”ある日、何度も読んできた本の「ある言葉」が別の本とつながると気がついて”というところ。案内されているページにすぐ飛んで、そこに紹介されているよく知っているつもりだった本のことを今までより好きになり、読んだことがなかった本を買いに行きたくなってしまいました。その記事を書いている人のことも、気になる存在になってしまいました。

本って、すごく個人的に向き合うもの。
一冊一冊を単独のものとして読むだけでも面白いのですが、一冊の本が開いた新しい興味が、自分だけの次の本へつながっていく楽しさというのが、やめられなくなるような読書の愉しみなのではないかと思うのです。本屋さんではぜったい隣り合わせに並べない本が自分の心のなかでは同じくくりに入ったりする。そのことで一冊の本の面白さが膨れ上がったり、深く好きになったりする。
ありそうでいままでなかった、本の楽しみを点から線へつなげていく、そんな本の読み方案内です。


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2014年12月7日更新
『次の本へ』 苦楽堂

エッセイ ブックガイド 本のおしごと