この絵本を前にして、あんまり、語ることはないのです。
ただ見て読んで、感じることがすべてだと思うから。

これは3月11日のあと、荒井良二さんがはじめて書いた絵本。 

きっと多くのものを書く人たちがふかくふかく考えて
書く意味を、その必要性を、できることを、できないことを悩んで。
その結果生まれた書物はたくさんあって、どれも素晴らしいものだと思うのだけれど…
荒井良二さんが絵本作家としてできることはなんだろう、と考えて、
「朝、起きたらカーテンをあけること」という答えを本にした。
そのことが、わたしには響きました。

でもそんな本の生まれた背景を知らなくったって、この絵本はぞんぶんに味わえるのです。
ただ読むだけで、おとなもこどももきっと楽しくて、それが素敵。
なんでもない日常のはじまりの朝の、窓の外にひろがる鮮やかな風景を味わってください。


pigeon bookstock RSS2.0 Feed on Feedburner


2013年1月27日更新
『あさになったのでまどをあけますよ』 荒井良二

児童書 受賞作 絵本