岩波少年文庫の創刊60周年のときに
宮崎駿さんが岩波少年文庫のなかから50冊を選んで推薦文をつけました。
その直筆の推薦文は全国を巡回展示したのですが、これはそれをまとめた本。
第一部は推薦文を、第二部は過去のインタビューに加筆修正した宮崎駿さんの児童文学への思いを載せています。
推薦文がまずよくて、読んだことあるものもないものも手にとりたくなります。
かっこつけもかたくるしさもない、こんなところがいいよ、という自然な語りかけ。
わたしは読んだことがなかった『バラとゆびわ』や『ムギと王さま』『思い出のマーニー』が読みたくなりました。第二部のほうで紹介されてた、岩波少年文庫ではないのですが、東京創元社の『魔使い』シリーズも!
そして第二部の、特に震災後に書かれた文章が、とても心に残ります。
児童文学というものは、基本として「やり直しのきく物語」だと。
ときにどうにもならない人間の真実を書いたりする文学とはちがって、なにかうまくないことが起こっても、それ超えてもう一度やりなおしがきくんだよ、という再生の物語。
生きててよかった、生きてていいんだという子どもたちへエールをおくるものとして、児童文学があるのであり、それは「こどもにむかって絶望を説くな」ということなんだと。
この本は児童文学をおすすめする本ですが、この本で宮崎駿さんが向き合っているのは大人です。
児童文学をたくさん読んできた大人も、あまり縁がなかった大人も、
今あえて児童文学を読んでみる、そのきっかけの本になったらいいなと思う本でした。
2013年3月2日更新
『本へのとびら―岩波少年文庫を語る』 宮崎駿
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こんにちは、鳩です。
食べること寝ることに並んで本を読むことが大好きで、ついにはお仕事まで本に関わることをしています。ここはわたしが読んだ本ばかりの個人的な書庫でもありますが、あなたにおすすめしたい本を差し出す本屋さんのカウンターでもあります。読んで好きになった本、印象に残った本、私はあまりなじめなかったけれどおすすめしたい誰かの顔が浮かんだような本を集めています。記事から記事へキーワードをたどってめぐることもできますし、表示される記事やキーワードもそのときにより変化します。気になる言葉や名前などを各記事下の検索欄で探していただくこともできます。
いまはまだ少ないこの書庫の蔵書も、うっそうとした本の森にそだつ予定です。どうぞ気ままにお散歩して、本と出会ってくださいな。
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