タイトルと表紙が気になって手にとったこの本。
大好きな高楼方子さんの『緑の模様画』という本と同じ、平澤朋子さんの装画でした。
こんな風につながる出会いはうれしく、はずれがないものです。
旅先で「わたし」が迷い込んだのは、しゅうぜん横丁という路地。
名前のとおり、いろんなものを修繕してくれるお店がずらりと並ぶ不思議な場所です。
たんす屋、カード屋、刃物屋に人形屋、えりとそで屋…ほんとにたくさん!
読んでるうちに私も横丁に入り込んで
「わたし」と一緒に丁寧で地味な作業に目を凝らしつつ
個性的な職人さんたちの話に耳を傾けます。
なおしてなおして長く使われたものは、必ず物語を持っています。
かわいい話、悲しい話、ときには魔法のような不思議な話…。
こわれたものはもう同じには戻らないけれど
まるですっかり直ったように生まれ変わる。
もしかしたらぴかぴかの新品より、うつくしくなるのかもしれません。
この素敵な物語…新しいのかと思ったら、1981年の本の復刊でした。
ものがたりも姿かたちを変えて、生き続けていました。
2013年2月21日更新
『わたしのしゅうぜん横町』 西川紀子
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ゴブリン書房手仕事西川紀子
ただいま 54 ストック!
こんにちは、鳩です。
食べること寝ることに並んで本を読むことが大好きで、ついにはお仕事まで本に関わることをしています。ここはわたしが読んだ本ばかりの個人的な書庫でもありますが、あなたにおすすめしたい本を差し出す本屋さんのカウンターでもあります。読んで好きになった本、印象に残った本、私はあまりなじめなかったけれどおすすめしたい誰かの顔が浮かんだような本を集めています。記事から記事へキーワードをたどってめぐることもできますし、表示される記事やキーワードもそのときにより変化します。気になる言葉や名前などを各記事下の検索欄で探していただくこともできます。
いまはまだ少ないこの書庫の蔵書も、うっそうとした本の森にそだつ予定です。どうぞ気ままにお散歩して、本と出会ってくださいな。
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